今回は、一応大学在学中に司法書士試験に合格した者として、この試験について、ちょろっと語っていこうかなと思います。
以下、その取得するプロセスでのメリット・デメリットをお話します。また合格後の話もちらほら。
大学在学中に司法書士を目指すメリット
これについては圧倒的に時間が多いということを挙げます。
まず真っ先に、「時間」です。やはり勉強には当然「質」もあるでしょうが、「量」は時に質を勝ってしまいます。
ただし、闇雲にやればいいかと言えばそうではなく、計画的な復習は大事ですね。
計画的な復習って何よ?って言われると、「記憶の忘却曲線」(naverまとめより引用)を参考にするといいでしょう。
記憶の忘却曲線とは「人間が忘却する周期を表にしたもの」と言うことができます。
これに沿ってちょうど忘却するタイミングに復習することによって強固な記憶を作る効率的な勉強はできてしまいます。
私の場合は、LECでの講義を受ける度に、自分なりにアレンジした忘却曲線にしたがって復習をしました。
続けられれば、めちゃくちゃ効果ありますよ。(この「続けられれば」ってところがミソです。)
私は続けられずに一年目の試験は玉砕しました。笑
忘却曲線を使うことによって量プラス効率で、司法書士受験界ではこれだけでも一気に有利になります。(何故これだけで一気に有利になるかは別の記事で。)
しかし、量プラス効率があるからといっても私は「独学」はオススメしていません。
「独学」では最初の学びで通学するよりも何倍、何十倍もの時間が掛かり、すごく非効率です。
独学の合格者はいらっしゃいますが、私からしたら「異常」なくらい司法書士という資格に受かるための執念があるような気がします。それくらい独学で合格される方達は凄い方達だと思っていますし、尊敬しています。
「独学」の合格はかなり難易度が高いと私は感じます。
多分ですが、それが一般的な感覚だと思います。(異論はあるかと思いますが。)
「独学VS通学」の記事は後で触れるとして、
次のメリットとして、かなり少数派であることを挙げます。
え?それってメリット?となるかもしれませんが、少数派である、ということは、「大学生」という時間のある人間の競合が少ないと言い換えることもできます。
時間的に強いプレイヤーが少ないので、自分が最初から時間の面で有利なプレイヤーとして、この試験に望むことができるのは大いなるメリットとなるでしょう。
その他のメリットとして、学生である故の安心感が挙げられます。
まだ学生ですからね。勉強するのは学生の本分。それを実行しているだけなので、まだ追い詰められた立場ではありません。安心して勉強に励むことができます。
上記については残念ながらデメリットにもなりうるとは思いますけどね。
また、学生で合格すれば就職で有利になるのは必然かと思います。
それも、初年度で「法務部勤務」もありうると思いますよ。私はその道には進みませんでしたが・・。
この点については、普通の就職活動を私は経験していないので、詳しいことを言えないのが苦しいところですが、有利になるのは間違いないです。
次に、ノウハウの蓄積によって他の資格を取りやすくなるという点を挙げます。
これは、在学中とはあまり関係ないかもしれませんね。笑
しかし、司法書士ほど正確な記憶をもって択一を処理しなければならない資格はあまりないと思いますので、択一の処理に関しては一流になります。
資格試験は何故か択一試験が多いので、司法書士で得たノウハウはすごく役に立ちます。
択一を処理させるだけの試験であればほぼ突破できるようになるのではないでしょうか。言い過ぎかもしれませんがね。
最後のメリットは、多分地域で最年少の司法書士になれます。
メリットなのかこれ。まぁ、話題作りくらいはできるし、自分を紹介しやすいというのは非常に便利だったりします。
私は、今現在札幌市で最年少の司法書士ですが、飲み会の度に自己紹介で使っている気がします。
名刺配っても覚えてもらいやすいというのはやっぱりメリットですかね。
若い、ということは仕事をする上でデメリットにもなり、これについては私たちの不断の努力で越えていかなければならない壁となってしまいます。(デメリットの部分でも記載します)
デメリット以上に、覚えてもらえるというメリットは比較するとやはりデカイのでしょうか。
「最年少の」使い過ぎは注意です。(私のことですね。笑)
メリットについては、ぱっと挙げただけでこれだけあります。
次は以下、デメリットについて紹介します。
在学中に司法書士を目指すデメリット
はい、学生生活が灰色になります。
もう、大学行っても大学行っても「図書館」通いです。
何回あの図書館のゲートくぐったか分かりません。
法律の勉強が結構好きな部類の私でも、やはりキツイものがありました。
司法書士資格は、一応大型資格と言われていますので、勉強する量は普通の資格試験とは比べ物にならないです。
学生生活を勉強に費やして失う可能性すらあります。
しかも、受かったからといって即開業しても食っていける保証はありません。
そんなプラチナ資格は世の中に存在しないのです。
起業家と同じで、自分の腕一本、身ひとつで、セルフブランディングをして、勝ち残らなければ淘汰される世界です。(これは自分で開業する場合ですが。)
司法書士は「独立資格」なので、上記のことは肝に銘じて目指さないと受かった後で後悔することになるかもしれません。
ただ、学生で合格した場合は、事務所への就職は有利になるかと思います。そこも人柄次第ですが、すでにセルフブランドをもっているというのは強いです。
次のデメリット、勉強を始めたら司法書士一色になります。
上と同じじゃんと思うかもしれませんが、ややニュアンスが違います。
というのは、インターンも、サークルも、バイトも、ほぼいけなくなります。
これについては、うまくやる人はたくさんいるんでしょうけど、不器用な私の例で言えば、やっていることは「司法書士試験の勉強のみ」という状態になりました。
サークルもやっていましたが辞めました。
普通のバイトは諦めました。(実はリゾートバイトに一ヶ月行ったことはありますが笑)
インターンも行ってる余裕ありませんでした。
友達の誘いもかなり断ったかと思います。
就職活動の合同説明会とかも行ったことありません。
あ、でも、ゼミの飲み会だけはなんとか参加していました。(唯一の癒やし)
このような状態で勉強することになりました。今大学生活で覚えていることは、楽しかった一年生の時の記憶と、図書館な三年間。あとリゾートバイトの一ヶ月。
このように綺麗に分類できます。
「図書館な三年間」について「それが青春じゃん!」って言う方もいらっしゃいましたが、それについては同意できませんね。笑
普通にキツイです。
しかし、上記のような状態で勉強できたのは「家族の支援」があったからこそ。キツイ苦しかったのは事実ですが、「家族」には一生を使って返さなければならない恩がありますし、非常に感謝しています。
だから、嫌々怠けて勉強していたのとはなんか違うんですよね。
あとデメリットとして、不安です。
自分で書いておいて、変なデメリットだなと思いますが笑
一応合格率3%台ですからね、受かるまでは本当に不安な試験です。将来についても不安なんですけどね。
この数字にもトリックはあるのですが・・・。長くなってしまうので、これも別記事で。
この数字を元に、不安を煽る人は大勢居ます。絶対受かるわけ無い、とか。才能ない、とか。
そんなことありませんけどね。普通に受かります。合格できる試験です。
キツイ勉強をして、基本をがっちりして、時間内に試験を終わらせる。これだけで合格します。(ちょっとざっくりしすぎですが笑)
さて、ほかにデメリットを挙げるとするなら、学生には気持ちに余裕がある、ということです。
メリットでも挙げましたが、今度は反対です。
社会人の方、非常に追いつめられて勉強しています。
とても強いです。
要は、本気でやらないと「うさぎとかめ」の昔話のようですが、負けちゃいますね。
時間的余裕があるにも関わらず。
多くの学生は自分がダメだと思った瞬間に、勉強を辞めてしまう癖があると思います。私もそうでした。
そうして、長い期間スランプに陥っている内に、堅実な努力をしてきた社会人の方に気がついたら追いぬかれているのです。
何故そうなるのか、というと学生はすぐに辞められるけど、社会人は辞められないという違いにあるのだと思います。
やはり、気迫が違いますね。
最後のデメリットとしてこれは合格後の話ですが、若い司法書士には不安を持たれるというデメリットがあります。
こちらも先ほど挙げたメリットの反対になってしまいますが・・・。
法律家はどっしりと構えていなければなりません。
自分にところに相談にきたら絶対安心だ、と言えなければなりません。
それが自分に備わっているのか、なんとも言えない部分がありますし、他の若い法律家も同様に不安を抱えているのではないでしょうか?
若い法律家は不安を持たれます。それを知った上での努力が必要になります。
そろそろ長くなってしまったので、以下まとめ
今回の記事のまとめ
今回の記事は結構書きたかったことを書いたため、やや長めになってしまいました。
まとまりのない気がするので、反省です。
メリット・デメリット挙げましたが、デメリット以上に私は司法書士云々は置いておいて「大学生の内に法律をしっかり勉強する」ということは大事だと思っています。
「法律」を知らないことによって不幸になっている人を何人も見てきました。手続きをしっかりと踏まなければ、自分に降りかかってきたときに、本当に、大変な事になります。
司法書士としての目線からだと、「相続登記の登記忘れ」。これは大変な事になる割合が高いです。
集めなければならない膨大な戸籍。増えすぎた相続人。場合によっては調停手続きです。
これについては、最低限の登記制度の周知を願うところです。今後の「あさがお会」の活動でどうにかできればいいですね。
それでは、少しでも、この試験を目指す不安な大学生のためになればと思います。
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