こんにちは、関根(@sekinesulog)です。
今回は「過去問」をテーマに記事を書こうと思います。
意外と見返してみたら過去問に関する記事があまりなかったんですよね。「司法書士試験 過去問」で検索される方も多いようなので、特に司法書士試験で出版されている過去問のタイプとそれぞれの長所・短所を解説しようと思います。
過去問の種類
はい、まず司法書士試験には過去問が当然の事ながら色々と出版されていますが、その過去問の掲載の仕方にタイプがあります。
私はLECという予備校を使っていたので、LECの過去問以外は使ったことがないのでもしかしたら私がまだ見ぬ過去問のタイプがあるかもしれませんが、そこはご愛嬌ということで。
では、過去問の掲載の仕方にどんなタイプがあるのでしょうか。
私がこれまで見てきたタイプは大きく分けて3種類です。
肢別タイプ
このタイプは過去問の肢のみ抽出して、分野ごとにわけられているタイプで、一問一答のようにマルバツ回答をしていきます。
なので、問題を解く時はその肢だけを見て回答することになるので、その肢に対する知識が無ければ回答はできません。
実力を試す時には最良のタイプかもしれませんね。
長所
・「純粋な知識のみで勝負することができる」という点です。
ごまかしは効きません。
・スキマ時間を有効活用できる。
私は地下鉄での移動時間等にやっていた事がありました。LECで勉強したことの復習をこのタイプの過去問を使って帰りの電車でやったりしていましたが、意外と学習効果は高かったような気がします。
短所
・「過去問を解く際の注意点」があまり身につかない。
「過去問を解く際の注意点」というのは、例えば自分がどういうケアレスミスをしやすいのかとかは肢別ではなく、実際に出題された5肢択一の方式で解かなければ身につきません。
・本試験の問題の感じがあまり伝わらない。
・見解問題も肢別で出題されるので変な問題構成になっていることがある。
やはり見解問題も5肢択一の方式で解いたほうがいいですね。肢別で出題されてもなんだか訳わからん感じになります。
・あっさりしている
※Amazonでは取り扱っていないようなのでLECオンラインショップの広告を載せておきます。
5肢択一 教科別・分野別タイプ
このタイプは1番有名なタイプでしょうね。
みんな大好き合格ゾーンはこのタイプの過去問です。
過去に出題された問題そのまま収録されており、それが教科の分野ごとにさらにわけられているものです。
なんだか言葉にするとわかりづらいようですが、要は「時効」の分野の過去問を解くとした時に、これまでに出題された「時効」の分野の過去問が全て直ぐに解ける、という算段の過去問ですね。
なので、初学者がよく使うタイプの過去問です。
長所
・分野ごとに出題された過去問がすべて解けるため、学習が進む度に出題された全ての過去問を味わうことができる。
・初期段階から本試験の問題のレベルが何となく分かる。
短所
・これまでに出題された過去問が全て解けるからと言って「その分野をマスターした気」になる。
・5肢択一の形式のため、全ての肢を理解できなくても正解することができてしまう。
・正答率のかなり低い問題でも頑張ってしまう傾向にある。←これは私だけですかね?笑
2017年版 司法書士試験 合格ゾーン 択一式過去問題集 民法 (上)
年度別タイプ
このタイプはすべて年度別に11教科の過去問が収録されているタイプの過去問です。
もうそのまま模試のように本試験を解くことができる。
対象は学習が全て終わった方ですが、解き終わった後に自分が合格ラインに居るのか、当時の基準点を突破できたのかどうか、当時の合格最低点はどれくらいか、など実際に肌で感じられる部分も多いので2年目以降の受験生は一度はやるべきなんでしょう。
個人的には直前期の腕試し等には良いかと思います。実際にLECでそのようにしている人も多かったです。
合格率3%と非常に脅しのような試験ですが、実際の自分の立ち位置を把握している人はかなり少ないと思いますので、過去問分析を通して把握することで不安をなくしていくことができます。
長所
・自分の合格までの距離感が何となく理解できる。
・本試験の感覚を味わうことができる。
特に分野別のみの過去問しかやったことがなければ、その年の簡単だった問題と難しかった問題の割合が分からないです。よりリアルに本試験を味わいたいならこのタイプの過去問をやるべきです。
短所
学習が終わってないと取り組み辛い。
あまり古いものは売っていない。
量が少ない。
※画像はないようですが一応販売しているらしいです。取扱はAmazonです。
司法書士年度別過去問〈平成24~28年度〉
それぞれの過去問について
私は紹介した全ての過去問を使ってきました。
まぁ、あまり使い方もクソもないんですが、一応書いてきます。
初学者向けのものは、肢別のタイプのものか、合格ゾーンのようなタイプのもののどちらかです。
でどっちを使うかは、人それぞれ好みにもよるのですが、正直無難なのは合格ゾーンのようなタイプのものだと思います。
過去問、としての演習をする場合だと、肢別ではあまり「過去問感」がありません。
過去問でどういうケアレスミスをするのか、とか、どういう思考回路で解いていくのか、ということを知ることは私は結構大事な要素だと思っています。
それらを改善していくことがスピードアップに繋がっていくのです。
しかしながら、過去問としてではなく、「知識があるかどうかの確認をしたい」ということなら肢別の過去問のほうが優れています。
注意点としては、LECの出している肢別の過去問集だと、「左に問題、右に解説」という作りになっているので、巻末にある黒い紙を挟まなければ答えが見えてしまうことです。笑
使いたいという方はその点注意しましょう。
年度別の過去問は、過去問をすでに経験し、学習範囲がすべて終わっている方は必ずやったほうがいいレベルで大事だと思います。
まぁ、当然過去になんらかの過去問で解いたことのある問題もでてきますので、確実なデータになるとは言えないのですが、それでもものすごく重要なデータになります。
自分が基準点に乗っているのか、合格点は取れるのか。
※記述の採点は不明な点が多いので、択一のみで測るなら「基準点+2、3問」を午前午後それぞれ目指していきましょう。記述は基本的な事項で絶対ミスしないことを目指してやってみてください。なにこれ訳わからん、という論点はミスって大丈夫です。
これらを知るだけでも自分がどれくらいのレベルなのかがなんとなく肌で分かってきます。
すると、なんだか自信をもって勉強することができるのです。
模試は結構本試験と乖離していますので、そういったことで自信をなくすのはマイナスです。
それなら年度別過去問のデータのほうが圧倒的に信頼性がありますので、そちらを信頼するほうが賢明だと思います。
まとめ
過去問について書きましたが、過去問について一つだけ言いたいこととしては
「過去問がすべて解ける」=「合格できる」
ではありません。
過去問は御存知の通り、全ての範囲を網羅しているわけではありません。
今のところ日本には全ての範囲を網羅したチャートのような問題集は存在しません。
なので、過去問がほとんど解けるからと言って慢心してはいけないのです。
過去問が解けてもその過去問が問うている知識の説明をできなければ意味がありません。
たぶん別の角度で問われたときに間違いを犯します。
私はそういう慢心があって自信をなくしたこともありますので、そういったことを念頭において勉強していきましょう。
それでは長くなりましたがこの辺で。
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