新しい法定相続情報証明制度の疑問点と問題点。相続登記の促進に繋がるのか。

スポンサードリンク




Pocket

 

こんにちは。関根(@sekinesulog)です

ついこの間パブリックコメントが出されて話題になっている

不動産登記規則の一部改正(案)に関する意見募集(法定相続情報証明制度(仮称)の新設)」についての疑問や問題点等を考察したので意見の共有をしたい、という思いからこの記事を書かせていただきます。

理解の足らない部分があるかと思いますが、そのへんについてはご指摘いただければ幸いです。

 

法定相続情報証明制度とは?

 

法務省が「相続登記の促進」を目的として発表した制度で、簡単に言うと法務局に「被相続人(代襲相続がある場合には、被代襲者を含む。)の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書とその相続人の戸籍謄本または全部事項証明書」を提出することによって、「法定相続情報証明書」の証明を受けることができる、というものです。

 

これをすることによって戸籍収集の煩雑さはこれまで通りまったく変わりありませんが、メリットもあります。

それは

「金融機関でのチェックが圧倒的に楽になる」

というところでしょうか。

法務局がお墨付きを与えることによって金融機関でわざわざ戸籍に精通した人間がいなくとも、「被相続人の相続人であること」が確定するので、時間的なロスはかなり防げるのでしょう。

一度チェックされたものに対して、もう一度チェックしなければならないもどかしさも金融機関側ではあったものでしょうから、それについては簡便になるのだと思います。

 

しかし、この制度の問題点としては

証明書の発行に「相続登記」は前提となっていません。

別に相続登記をせずともこの証明書の発行を受けることができるのです。

つまりそれだと、この証明書の発行を受けるためだけに戸籍を収集し、この証明書をもって金融機関での手続きを済ませることができてしまう。

結局のところ法務局が戸籍のチェック業を代行しているだけにとどまり、肝心の相続登記は促進されるのでしょうか。

「登記申請」を条件として、そこの形式的審査を経て証明書を出すに留めるというのなら、他の管轄での登記申請にも使えて、銀行でのやり取りにも使えて良いのではないだろうか、と思う次第です。

 

 

その他の問題点としては

先の問題とも絡むようですが「法務局」で取り扱う事務が増えすぎるのではないだろうか、と個人的には思慮しています。

登記申請と全く絡まない制度なのであれば戸籍のチェックのみをする時間ができてしまい、普段の登記申請をチェックする業務に加えて職員に過度な負担を強いることになるのではないだろうか、と考えてしまいます。

考え過ぎですかね?

 

しかし、昨今話題になっているブラック企業の問題もありますので、せめて公務員は徹底的に労働法を守って欲しいと思っています。

そうでなければ「法治国家」の名が廃るというものです。それを見習ってブラック企業が撲滅することを祈ります。

 

さて、話が逸れたようですが・・・

 

そのほかに問題点をあげるとするならば

「保存期間」の問題でしょうか。

パブリックコメントによると、「作成の年の翌年から5年間保存する」ようですが、他の帳簿と比べていささか短いように思えます。

相続人の判断について、問題が生じることは少なかろうと思いますが、せめて10年は保存しておいたほうが良いのではないだろうかと感じます。

なんで10年よ、と聞かれても良い根拠はありませんが、問題が生じた時にもう保存しておりませんでは、問題の解決に時間が掛かります。

 

相続登記の促進とは。

 

結局のところ、法定相続情報証明制度が始まっても相続登記が簡単になるわけではありません。

戸籍収集をしなくても良くなるわけではないし、登記申請が簡単になるわけでもないです。

なので、司法書士的にはそこまで業界を揺るがすほどの変化があるとは思っていません。

 

しかし、相続登記をしないことによる問題、というのは社会問題になりつつあり、(というかなっている)この問題に対する答えは常に求められています。

 

そもそも私が20代前半ということもあって周囲の「登記制度」自体の認知度があまりに低いと感じています。

皆さん税金の事はすごく気にするのに、登記のことを気にされる方は非常に少ないです。

「暮らしの便利帳」というものが札幌市でも発行されていますが、「登記」に関するページが一切なく、ちょっと残念な気持ちになりました。

なので、この問題の根底にある「登記制度」自体の周知を私達もそうですが、もっと行っていくべきなのかなと思いました。

 

あとは「相続登記する価値のない土地」があったりすると、これらの土地がまったく手付かずで登記しないまま残ってしまうという問題点もあります。

所有権の放棄ができると国名義にできる(?)のですが、現状それはかなり難しいです。

国への寄贈は歴史的価値や、行政側の利用価値がないと受け入れられないので、行き場のない不動産がうまれます。

この問題点については、所有権放棄の議論が進めば、国の税収は減りますが、わけの分からない不動産は減るのではないかと感じています。

最近では中国の方が山林を買収しているという話も聞きますので、国を守っていくという観点からもそろそろこの議論を進めていく必要があるのではないだろうか、と考えています。

 

はい、だいぶ話がそれましたね。

 

それでは以下まとめ

 

まとめ

 

なんだか全体を通して話が逸れていて申し訳ありません。

まぁ、こんな記事でも相続登記の問題点や、法定相続情報証明制度が少しでも知れれば多少の価値はあるのではなかろうかと思います。

それでは、今日はこんな所で。

Pocket

関連記事



スポンサードリンク




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です