こんにちは、司法書士の関根陽介(@sekinesulog)です。
今回は、「司法書士試験の勉強時間」について記事を書いていきます。
司法書士試験に合格するための勉強時間は何時間?
よくいろいろな資格試験のサイトとかを見ると、
「司法書士試験は合格するために3000時間必要!」
とか
「毎日10時間以上勉強しましょう!」
とか見ますけど、こういった考え方は非常にナンセンスだと思います。
人によっては時間は短いけど吸収できる知識の量は多いし、勉強のスピードも速いというタイプの人もいますし、その逆もいます。
実際「勉強時間」を基準にした所で、沢山勉強すればそれだけ身についたとも限りません。
結局一日中テキストだけ読んで「勉強した気」にだけなって、その後勉強したことを振り返ってみて、全然思い出せませんでは話になりません。それでは多分一生合格することはないでしょう。
私はよく言われる「勉強の質」を大事にするタイプですが、その「勉強の質」とはどれだけ勉強したことを使える知識にできたか、ということを指していると私は思っています。
その勉強の質によっては、一日10時間勉強しても箸にも棒にもかからない人もいるし、逆に一日短い時間しか勉強してない人でも合格してしまう人がいます。
そんな差をつくってしまうのが、使える知識になるかどうか、ということだと私は考えています。
じゃあどうやって使える知識にするんだよ?
と思う方は沢山いらっしゃると思います。
これには合格者それぞれ色々な答えがあるんでしょうけど、私が提案させて頂いてるのは「自分で説明してみること」です。
別に難しいことではありません。
自分が講師になって自分に勉強したことを説明できればいいだけの話です。
それができれば五者択一なんて余裕でしょうね。
多分本試験であっても正解をもぎ取れるでしょう。
つまり、その「説明できる範囲」を増やせばいいだけの話です。
説明できる範囲としては11教科必要ですが、それができるようになればマジで合格できます。
しかし、司法書士試験で合格率が3%とかいうアホみたいな数字になっているのは、その過程で大抵が挫折してしまうからです。
または、そこまで本気の受験生が少ないのか。
やはり受験資格に制限がないので、本気じゃない人でも受験できてしまいますからね。
さて、勉強時間に話を戻しますが・・・・・・
まず、漠然と「今日何時間勉強しよう」とかそういう目標はもう辞めにしましょう。
それは机に向かって長時間座ることが目的になっています。
そうではなくて、「今日どこを説明できるようにしようか」という考え方で勉強した方が幾らか目的が明確になります。
それで全範囲説明できるようになれば合格レベルになるのだから、そのために着実な一歩を踏み出していきましょう。
ノルマ制でいきましょう。
はい、ということで勉強時間を目標にして勉強することが無意味なことだと説明したところで、
それならお前はどうやっていたんだ、ということで、私の話になってしまいますが、お時間が有りましたらついでに聞いていって下さい。
まずは今どれだけ試験までの時間が残されているのか人によってそれぞれ違うので確定的なことは言えませんが、残された時間と、残されたやらなければならないことで割り算をすれば一日のやらなければならない事を算出することができますね。
それを的確にやることは難しいですが、非常に指針としては参考になるものがあります。
何より適当に作った計画案より安心感があります。
さてさて、「残されたタスク」を割り出すのは難しいですが、タスクとして考えられるのは「まだやっていない範囲の勉強」「復習としてやらなければならないこと」「模試等のイベント」「苦手を潰していく時間」が殆どの司法書士受験生のタスクになります。
これをそれぞれ割り出します。
「残された範囲の勉強時間」は予備校生なら分かりやすいですが、独学者はこれまでの経験則を使って割り出していくしかありませんね。でも、経験則って結構大事ですよ。
「模試等のイベント」も時間が決まっているので余裕ですね。模試の間違ったところをテキストに反映させる時間も必要ですが、これは簡単。紫マーカーで該当箇所にラインをひいて、今日の日付を書いておけばOKです。
「復習としてやらなければならないこと」これは結構算出が難しいですが、最低でも新しく勉強した分野について5回は復習するもんだとおもってて下さい。5回でも少ないですけどね。
「苦手を潰していく時間」これを考えていない人は多いです。勉強ってやってもやっても駄目なところってあるんです。ずーっと苦手な分野があります。何回勉強しても説明できなかったり、もやっとしてたり、ふわっとしている分野をまとめて一網打尽にしなければなりません。
オススメの方法は地下鉄等の移動時間で、「見る回数をめちゃくちゃ増やすこと」です。苦手な箇所だけコピーしたテキストをファイリングして手で隠して心の中でブツブツ内容を説明する。そして説明が終わった時に確認する。
これだけです。ですがめちゃくちゃ効果あります。
これを移動時間だけで直前期の1ヶ月半続けた所、なんと私の苦手分野を殆ど抹殺することができました。
さてここまで「残されたタスク」について書いてきましたが、これから必要な勉強内容は何となく分かったでしょうか。
後は残された日数で割って一日どれくらいの勉強(ノルマ)が必要なのかを割り出すだけです。
模試や授業といったイベント、移動時間での勉強(苦手潰し)、記述式の雛形練習、問題演習、はほとんどの受験生の定型的なノルマになるので、あまり考える必要はありませんね。
ということはこちらで考えなければならないのは「これまで勉強したことの復習」のノルマですね。
復習は勉強した分野×5回でとりあえず単純計算して、もうすでにそれ以上にやっている分野は1ヶ月半に一回定期点検をします。(受験日の3ヶ月前になったら全分野、機械的に最低でも2週で全部回せるようにしたいです)
定期点検の方法は、テキストの大目次・中目次・小目次だけみて内容を説明できればクリアです。笑
かなり難しいですが、もしあなたがセミナーかなにかの講師になった時はそれくらいで話せるようにならなければなりません!
これだけ考えればモヤッとした計画にはならないかと思います。
とりあえず紙に書き出してみましょう。
そしてスケジュール帳がない人は買って下さい。
コクヨ 手帳 2017 キャンパスダイアリー 1月始まり セミB5 ウィークリー ホリゾンタル 薄茶 ニ-CHL5-17
ノルマ制のいいところ。
さてノルマ制のいいところは
ノルマを達成した時の満足感がある
勉強をちゃんとしているという安心感
受験生としてのメンタルの安定感が増す
等など
私は「ノルマ制」にして何より良かったのは、「直前期でも安心して勉強できた」というところです。
直前期って受験してみれば分かりますが、不安になるものです。
自分は合格レベルなのか。何勉強したら良いのか。模試対策優先か、過去問解くか・・・など
不安になる要素は沢山あります。
しかし、私の場合は直前期にどれだけ勉強するのか、どういう計画でいくのか、模試への対策はどうするか、など1年目の失敗を思い出して、不安になることを想定して事前に計画を組み、1日ごとのノルマを割り出していたので、直前期でもメンタルは安定していました。
直前期でもメンタルが安定していると、「合格できる」と信じることができます。
人間が物事を信じるためには「根拠」が必要なわけですが、計画に基づいてしっかりとこなすということが「根拠」となります。
意外と「自分を信じきること」って難しいんですけど、受験当日まで自分を信じきることができれば普通に合格できると思います。
大抵の人は負け戦だと思ってきていますからね。そういう人たちにはここまで来れば負けません。
あと、私がノルマ制にしてよかった事は、「時間に左右されない」ということです。
このメリットは上にも挙げていますが、勉強の「終わり」が見えるので、そこまでやったら帰って良いんですよ。
何故か、受験生になると「勉強を多くやっている人が正義」というアホみたいな風潮がありますが、そんな計画も立てずにがむしゃらに戦うよりは、計画に基づいて効率的に戦うほうが圧倒的に強いと私は思っています。
とはいえ私は自分の作った計画では、直前期は本当に追い込む必要があったためかなり勉強をしましたが、これはがむしゃらに勉強をしていたというよりは、計画上仕方なくそうなったためです。ここまで勉強したのは5月後半~7月始めだけでしたが、かなりきつかったです。
直前期に入るまで(2月~4月)はお昼前から図書館に行って夕方(遅くとも19時)にはノルマが終わる感じだったので、私としてはそこまで苦しくは感じませんでした。
大学4年生のときにこの時期に夕方に帰っていたので、友人からは白い目で見られたりもしましたが、やることはやっていたので自分としては納得していました。
ともかく「ノルマが終わりさえすれば帰れる」ので、とてもはやく帰ったとしても自分を責める必要性は全くなく、むしろ「今日は優秀だったな」と自分を褒めるべきです。
やることはしっかりやっているのですから、それでいいのです。
そして、家に帰ったら勉強など忘れて遊び呆ければいいです。自分で勝ち取った自由な時間なので、何するも自由です。
ノルマ制でも、社会人の方がやるとしたら非常に大変だと思いますが、時間がないからこそ使える時間は効率的に使わなければならないのは事実ですから、無計画で勉強されている方はノルマ制にしたら気持ち的に楽になれると思います。
あ、言い忘れていましたが、絶対達成不可能なノルマを組むのはやめたほうがいいです。
あくまで達成可能だと思える範囲でノルマを組みましょう。でなければ上記のメリットは意味が無くなってしまいます。
うまく日ごとに分散させて毎日達成できる体制を目指したほうがいいと思います。
そうして一歩一歩積み重ねていけば、確実に前に進んでいきます。
ゴールもわかっているのなら、後はそこまで進んでいくだけで合格します。
この感覚があるのならきっと不安はなくなるはずです。
私は、この考え方になってから劇的に受験に対する気持ちが変わりました。
受験の5ヶ月前に模試でE判定を叩き出したものの合格することができたのはこの考え方をしたお陰です。
難しい提案だったかもしれませんが、できるだけ今後のタスクの見える化、計画の定型化、受験でこれから不安になることを予測して、ぶれない自分のスタイルを築いていかなければなりません。
その一助になれれば、と思います。
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