「大学在学中に司法書士資格は取れる。」その言葉を胸に合格した男の話 ー1年目の失敗編

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前回に引き続き、私の司法書士試験の合格体験談を綴っていこうと思います。

 

LECでの授業が始まってからはどうだったの?

 

LECでの授業は、私の担当講師が素晴らしく面白い方だったこともあり、司法書士受験生の中ではとても順調に勉強が進んでいました。週3日のコースでしたが、難なく授業についていけました。

 

やっていたことは当たり前のことで、「とにかく計画的に復習をする。」ということだけ心がけていました。

 

いつかの記事でも触れましたが、「計画的な復習」には「記憶の忘却曲線」に従うのが最も簡単で、最も効率良くすすめることができます。

私は「記憶の忘却曲線」を私なりにアレンジした期間で、復習に取り組んで行きました。

 

これは、非常に効果絶大で、受講生の中では「殆ど無双状態」だったかと思います。(35点満点の「基礎力完成編」という模試でクラスの中では常にトップでした。)

それはそうで、私には時間だけは有り余っていたこともあり、勉強しようと思えばいくらでもできたので、記憶の忘却曲線に従った復習もできました。

 

このような状態の時に、私は「なんだ、いけるじゃん。」という安堵感とともに、1年目の司法書士試験でも当然のごとく合格するものだと思っていました。

 

じゃあずっと順調だったの?

 

しかし、転機が訪れたのは「民法」が終わってからでした。(民法が終わったのは、受講を始めて3ヶ月目くらいでしたかね?)

 

司法書士受験生なら分かると思いますが、アイツがやってきたのです。

そうです、「不動産登記法」です。

 

今までとは勉強のスタイルが全く変わります。「書式」という項目が加わったのです。

 

私は、初めの方は面白がって「楽しそうだねー。」と友達と話していたものの、今までとの違いに動揺を隠せませんでした。

 

まず取り掛かったのは「雛形」を書けるようにすることでした。

講義は正直言って理解できない部分も多かったので・・・

なぜ理解できない部分が多かったか、というと「雛形」に注力しすぎていて、「言葉の意味」がわからなかったためです。

 

例えば「主登記」ってなに? 「付記登記」ってなに? 「原本還付」ってなに? といった状態だったので、講師が言った言葉は聞き取れても、「どういう状況」なのか私には分からなかったのです。

 

私はもっと不動産登記法に関して言えば、はじめの段階から「テキスト」に力を加えるべきでした。

言葉の意味くらいすぐに説明できるようになるはずなのに、当時、自分はトップに居るんだ、という思いから、焦りが先行していきました。

 

人間、焦ると良い判断はできません。私は、悩みを忘れて「雛形」だけをとりあえず徹底的に抑えようと決めます。

 

実際、「雛形」をある程度おさえていたおかげで、「書式」の模試を受ける時期が来てもそれなりの点数を取ることができました。

しかし、択一は悲惨な点数を取ります。たしか、あの簡単だと言われる「基礎力完成編」でさえ10点台(35問をそれぞれ1点計算で)を取ることになります。

 

周囲には「不動産登記法」の択一は難しいから、今取れなくても大丈夫、というまやかしを言う人も居ましたが(私もその一人でした。)

 

これは大きな間違いです。

不動産登記法は、「書式」と「択一」2つ揃わなければ合格できません。どっちが良くてどっちが悪いとかではダメで、どっちかが良いくらいなら、どっちも悪いほうがいいと私は考えます。

 

必死になってテキストも勉強しておけば、1年目の結果は違ったかもしれません。(少々ネタバレですが・・・)

 

そして、そっくりそのまま「不動産登記法の択一」は私の負債となりました。

 

しかし、この時でもまだ私は全然イケると思っていましたね。笑

 

それからどうなったの?

 

それから司法書士受験で最大の鬼門(と言われている?)である「会社法」が始まります。

 

この科目の難しい所は暗記量が凄い所ですね。

しかし、暗記は当然なのですが、大学生だった私にとって「会社」というものはあまりイメージを持てない部分も多かったので、そこにも苦戦しました。

 

ちなみに、これまでにやってきた「民法」と「不動産登記法」の勉強がどうなったのか、というと、「民法」に関しては一ヶ月半毎くらいにすべての知識の確認をしていたので、さして問題はなく、「不動産登記法」については相変わらず、毎日のように「雛形」を書き続けていました。

この時でも遅くないから、「不動産登記法の択一」を対策しておけという話ですね・・・。

 

で、「会社法」に話を戻しますが、この勉強は「まだ」なんとかなっていましたが、陰りが見え始めます。

 

そうです、「遅れ始めた」のです。

 

「遅れ始めた」というのが、どういうことかというと、講義の復習が間に合わなくなってきた、ということですね。

ここでの原因が何かというと、「不安」がそうさせたのだと思います。

 

計画がモヤモヤしていたのです。

船を漕いでいたとしても、灯台のない見通しの付かない暗闇の中ではいくら優秀な船頭がいようが船は遭難します。

 

もっと直ぐに「不安の原因」であったと思われる「不動産登記法の択一」の対策をし、状況の是正を図るべきでした。そして、頭を軽くして痛手のない内に遅れた分の「会社法」を取り戻せばよかったのです。

 

気がついたら年が明けていました。

 

それでそれで?

 

年明けからの一週間ほどの休みの期間はこれまでのストレスからか全く勉強が手につきませんでした。

 

今思うと、ここでも「不動産登記法の択一」やれよって思うのですが、人間はそんな簡単な生き物ではないらしく、できない時はできないのです。

 

そもそも、私は家で勉強できるタイプではないみたいで、勉強するときは決まって図書館や自習室だったこともあり、年明けの期間などどこも開いているはずもありません。

 

そして、年明けからの一週間は殆ど友達と遊んだり、家族とどこか遊びに行ったりしていました。

 

で、再び講義が始まります。

 

次は何が始まったのかというと「商業登記法」ですね。また「書式」です。

 

「書式」のある教科には潜在的に苦手意識を持つようになっていたので、嫌な気分でした。笑

 

しかし、幸いなことに、「商業登記法」=「会社法」なので、テキストは読む必要もないくらいに見覚えのある知識で溢れていました。

テキストを読まなければならないプレッシャーは少ない分、全力で「雛形」の勉強をしていたような気がします。

商業登記法の記述の問題には中々慣れませんでしたが・・(ちなみに勉強は「ベーシック」という基本テキストでやっていました。)

 

ちなみに、このときの状況としては「民法」は若干放置気味、「不動産登記法」は焦りだしたのか択一対策に着手(遅すぎ笑)、「会社法」は商業登記法で復習できるや、と思い放置 という状態でした。

この時には、「記憶の忘却曲線」を使った計画をたてるのは難しくなっていました。

ちょっと緩くしてもいいからやればいいものを・・・。やはり、沢山の教科があり、週3で新たな知識が入って来る状態というのは、私にジャブのように徐々にダメージを蓄積させていきました。

 

この時にもっともきつかったのは「不動産登記法の択一」という巨大な負債です。

この負債をどう処理しよう、と悩み続け、答えはでないままでした。

そんな状態では、良い計画など作れるはずもありません。

 

しかし、まだ腐ってはいなかったので、自分の思う勉強は続けていました。「投資してもらったのに辞めたら駄目だ。」という意識だけはしっかりと持っていました。

 

それから、「マイナー科目」の講義に移っていきました。

 

「マイナー科目」というのは、司法書士受験界の用語で、「憲法、刑法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、供託法、司法書士法」のことを指します。

分量としてはこれまでの基準だと、「マイナー科目で一つの科目」という意識でした。

 

私の精神衛生上としては科目が多いというのは、よろしくなかったですね。

「憲法」、「刑法」あたりはまだ身近に感じれる部分もありよかったのですが、「民事訴訟法」は曲者でした。

 

「民事訴訟法」の勉強は少し変わっていて、「条文を毎日読みなさい」というものだったのですが、私は条文が嫌いで、テキスト派なので、肌に合わない勉強法でした。(こんなのが司法書士でいいのかという感じですけどね。笑)

それでも条文は読んでいましたが、テキストを読まないとイマイチ理解度が落ちてしまいます。

 

ここまではなんとかだましだまし食らいついていましたが、「民事訴訟法」以降の講義は完全に授業からは遅れてしまっていました。

 

ここでばっさりと言いますが、一発合格者は絶対に講義についていきます。

まぁ、例外もあるのでしょうが、私がみてきてた一発合格者にはそのような特徴があります。

私は遅れてしまっている時点で、合格者としての資格はすでになかったのです。

一発合格をした私の先輩はとても優秀で、絶対に講義に遅れることはなく、不断の努力を続け圧倒的な実力で合格していきました。

 

気がついたら全講義を受講し終えていましたが、「一発合格したいなぁ」という弱い気持ちになっていました。

そんな状態で合格する訳ありません。

 

模試とかはどうなったの?

 

講義が終了すると「ファイナル答練」と呼ばれる模試が始まります。

 

これがまぁ、難しいんですよね。1年目の心を折るのにそう時間はかかりません。

 

周囲の私と共に頑張ってきた受講生も減り始め、気がついたら数人しか残っていませんでした。

私の「ファイナル答練」の成績はというと、ひどいもので、10点台は余裕にとっていました。

さすがに10点台はひどいです。親にも報告できず悔しい思いをしていました。

 

「ファイナル答練」での成績が伸びる兆候もなく、私のモチベーションは地に落ちていきました。

そうして、「全国公開模試」が始まると、すでに模試には行かず、図書館で勉強だけしている状態です。(一応、勉強はやめてません。) 気持ちはすでに折れていたと言ってもいいでしょう。

「勝算のない勉強」は無駄です。

 

この時の記憶はあまり定かではありませんが、よく父親には怒られました。

「お前は受かる気はないのか?」と。

いや、受かる気はあったのですが、気持ちが折れてしまうと立て直すことは難しいのです。

父親は病気だったこともあり、心配をかけてしまったことを申し訳なく感じました。

 

気がついたら、7月。本試験は7月の第一日曜日にあります。

 

母親は「頑張ってね!」と言ってくれましたが、私は勝算もなく受験会場に行き、受験をしてきました。

 

 

ここで感じたことは「模試と全然ちがくね?」ということです。

自分には、重箱の隅をつつく模試と徹底的な基本を問う本試験というイメージの違いがハッキリと染み付きました。

このとき、完全に受験さえもしなければ、この大切な気付きはなかったのです。この時ばかりはファインプレーでした。

 

まぁ、見て分かる通り、合格することはありませんでしたが、受験を辞めようとは思いませんでした。

このときすでに私は「司法書士になるんだ。」という決意だけは固めていましたから。

 

 

 

ー1年目の失敗編 以上

 

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